2026年9月27日

こんにちは!withこどもクリニック院長の安原潤(じゅん先生)です🎾
「涼しくなってきたのに、子どもの鼻水やくしゃみが止まらない」
「風邪をひいたと思っていたけれど、なかなか治らない」
秋になると、このようなご相談が増えてきます。
秋は朝晩が涼しくなり、風邪などの感染症も増えてくる季節です。そのため、鼻水やくしゃみが続くと「風邪かな?」と思われる方も多いでしょう。
でも、実は秋にも花粉は飛んでいます。
花粉症というと春のスギやヒノキを思い浮かべる方が多いと思いますが、秋は「第二の花粉シーズン」。さらに、この時期は夏の間に増えたダニによるアレルギーも症状が出やすくなります。
つまり秋の鼻水やくしゃみは、花粉・ダニ・風邪など、さまざまな原因が考えられるのです。
今回は、子どもの秋の花粉症について、原因となる植物や症状、風邪やダニとの見分け方、家庭でできる対策、アレルギー検査についてご紹介します。
秋に飛ぶ花粉は「ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ」
秋の花粉症の代表的な原因は、
・ブタクサ
・ヨモギ
・カナムグラ
などです。
春のスギやヒノキが主に山林などの樹木から飛散するのに対して、秋の花粉は道端、公園、河川敷、空き地など、子どもたちの生活圏のすぐ近くに生えている草が中心です。
そのため、花粉そのものが遠くまで飛ぶわけではありませんが、通園・通学の道や公園などで、発生源の近くにいることで花粉を浴びることがあります。
特に、
「公園で遊んだ後に鼻水がひどくなる」
「草むらで遊んだ日に目をこする」
「外から帰ってくると、くしゃみが増える」
という場合には、秋の花粉が関係している可能性があります。
なお、スギ花粉は春が中心ですが、秋にも少量飛散することがあります。
「春は花粉症だけど、秋は関係ない」とは限りません。
秋の花粉症ではどんな症状が出る?
秋の花粉症の症状は、春の花粉症と大きくは変わりません。
代表的なのは、
・くしゃみ
・透明でサラサラした鼻水
・鼻づまり
・目のかゆみ
・目の充血
・のどのかゆみ・違和感
などです。
小さなお子さんの場合、「鼻がかゆい」「目がかゆい」とうまく伝えられないこともあります。
そのため、
鼻や目を何度もこする
口を開けて呼吸している
鼻づまりで眠りが浅い
いびきが増えた
外遊びを嫌がるようになった
といった変化がないか、普段の様子を見てあげることも大切です。
鼻づまりが続くと、睡眠の質が低下したり、日中の集中力や機嫌に影響したりすることもあります。
「秋の鼻水=花粉症」とは限りません
ここが秋の鼻症状で特に大切なポイントです。
秋に鼻水やくしゃみが続いているからといって、必ずしも秋の花粉症とは限りません。
この時期には、
① 秋の花粉
② ダニなどによるアレルギー
③ 風邪などの感染症
が、似たような症状を起こします。
例えば、アレルギー性鼻炎では、透明でサラサラした鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどが特徴です。
一方、風邪では、鼻水に加えて発熱やのどの痛み、咳などを伴うことがあります。
また、ダニなどによるアレルギーでは、年間を通して症状がみられることがありますが、秋になって症状が目立つことがあります。
花粉・ダニ・風邪の違いの目安
| 秋の花粉症 | ダニなどのアレルギー | 風邪 | |
| 鼻水 | 透明でサラサラ | 透明でサラサラ | 初めは透明でも、粘り気が出ることがある |
| くしゃみ | 繰り返すことが多い | 繰り返すことが多い | みられることがある |
| 目のかゆみ | みられやすい | みられることがある | 一般的ではない |
| 発熱 | 通常ない | 通常ない | みられることがある |
| 症状が強くなる場所 | 屋外・草むらなど | 寝室・布団など | 場所による明確な変化は少ない |
| 症状の続き方 | 長く続くことがある | 長期間続くことがある | 多くは徐々に改善する |
もちろん、これはあくまで目安です。
花粉症と風邪が同時に起こることもありますし、症状だけで原因を完全に区別することはできません。
なぜ秋にダニの症状が出やすいの?
「秋なのに、なぜダニ?」と思われるかもしれません。
ダニは高温多湿な環境で増えやすく、夏の間に増殖します。
そして秋になると、ダニの死骸やフンなどが室内のほこりや寝具に混ざり、アレルゲンとして症状の原因になることがあります。
そのため、
朝起きたときにくしゃみが多い
布団に入ると鼻水が出る
寝室にいると症状が強い
といった場合には、花粉だけでなく、室内のダニなどが関係している可能性も考えます。
秋の鼻水だからといって、「秋の花粉症」と決めつけないことが大切です。
子どもの花粉症は珍しくありません
花粉症は大人だけのものではありません。
近年は、子どもでも花粉症を発症することがあります。
特に小さなお子さんは、自分で症状をうまく説明できないことがあります。
「鼻をよくこするようになった」
「目をこすることが増えた」
「口呼吸をしている」
「夜に眠りづらそう」
「日中、機嫌が悪い」
「授業や遊びに集中できない」
といった変化が、アレルギー症状のサインになっていることもあります。
「まだ小さいから花粉症ではないだろう」と年齢だけで判断せず、気になる症状が続く場合はご相談ください。
原因を調べる「アレルギー検査」
秋の鼻水やくしゃみが続く場合、花粉なのか、ダニなのか、それ以外のアレルゲンが関係しているのかを調べるために、アレルギー検査を行うことがあります。
当院では、ドロップスクリーンによるアレルギー検査を行っています。

ドロップスクリーンは、指先から少量の血液を採取して、複数のアレルゲンを調べることができる検査です。
「何が原因なのか分からない」
「花粉なのかダニなのか知りたい」
「以前アレルギー検査を受けたけれど、もう一度調べたい」
という場合にも、選択肢の一つになります。
ただし、アレルギー検査の結果だけで症状の原因を判断するわけではありません。
いつ症状が出るのか、どこで悪化するのか、どのような症状なのか。
こうした経過と検査結果を合わせて考えることが大切です。
家庭でできる秋の花粉対策
秋の花粉を完全に避けることは難しいものです。
だからこそ、できる範囲で「浴びない・持ち込まない」ことを意識してみましょう。
① 草むらなどに長時間近づかない
花粉症が疑われる場合は、ブタクサやヨモギなどが多い草むらや河川敷などで長時間過ごすことを避けるのも一つの方法です。
② 帰宅時に花粉を落とす
家に入る前に衣服や髪についた花粉を軽く払ってから入るようにしましょう。
帰宅後の手洗いや洗顔、着替えなども花粉を落とす方法の一つです。
③ 洗濯物や布団にも注意
花粉の飛散が気になる時期は、洗濯物や布団を外に干すことで花粉が付着することがあります。
症状が強い場合には、室内干しなども検討しましょう。
ダニ対策も大切です
ダニが原因と考えられる場合には、寝具や室内環境の見直しも重要です。
こまめに掃除機をかけ、寝具を清潔に保ちましょう。
布団乾燥機などを活用する方法もあります。
「朝に症状が強い」「寝室で悪化する」という場合には、花粉対策だけではなく、ダニ対策も意識してみてください。
治療は症状や年齢に合わせて
花粉症やアレルギー性鼻炎の治療では、お子さんの年齢や症状に合わせて、抗ヒスタミン薬などの内服薬、点鼻薬、点眼薬などを使用することがあります。
鼻水や鼻づまりが強く、
「夜眠れない」
「日中の生活に影響している」
「集中できない」
「外遊びがつらそう」
といった場合には、症状を我慢し続けるのではなく、一度ご相談ください。
原因となるアレルゲンが分かっている場合には、症状が出る時期を見越して治療を検討することもあります。
花粉症に伴う「食べ物」の症状にも注意
ブタクサやヨモギなどの花粉症を持つ人は、特定の果物や野菜を食べた際に、口の中や喉にかゆみや腫れを感じる花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を発症することがあります。
これは、花粉に含まれるアレルゲンと果物・野菜に含まれるタンパク質構造が似ている(相同性がある)ために起こる交差反応です。
ブタクサ花粉症の場合: メロン、スイカ、キュウリ、バナナなど
ヨモギ花粉症の場合: リンゴ、キウイ、セロリ、ニンジンなど
食べた後に、
「口の中がかゆい」
「唇がピリピリする」
「喉がイガイガする」
などの症状が繰り返し起こる場合には無理に食べさせず、、速やかに医師に相談してください。
まれにアナフィラキシーショック等の重篤な症状を引き起こすこともあるため注意が必要です。
「風邪かな?」が長く続くときはご相談ください
秋は風邪も増えるため、鼻水やくしゃみがあると「また風邪をひいたのかな」と考えてしまいがちです。
しかし、
・透明でサラサラした鼻水が長く続く
・くしゃみを繰り返す
・目をかゆがる、目をこする
・毎年同じ時期に症状が出る
・外遊びの後に症状が強くなる
・朝や寝室で症状が強い
・鼻づまりで眠りにくそう
といった場合には、花粉やダニなどのアレルギーが関係している可能性があります。
秋の鼻水やくしゃみは、原因によって対策が変わります。
「風邪なのか、花粉症なのか分からない」
「ダニなどのアレルギーがあるのか知りたい」
そんなときには、症状の経過を伺いながら必要に応じてアレルギー検査を行うこともできます。
当院ではドロップスクリーン検査にも対応しています。
秋は、子どもたちにとって外遊びや運動を楽しみやすい季節です。
鼻水やくしゃみを「風邪かな?」とそのままにせず、症状が続くときには、秋の花粉症やダニなどのアレルギーの可能性もありますので、いつでもお気軽にご相談下さい!
お子さんが気持ちよく秋を過ごせるように、症状の原因を一緒に考えていきましょう☺️
